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危険ドラッグ・脱法ドラッグ(弁護士コラム)

脱法ドラッグに強い刑事事件の弁護士が、脱法ドラッグのよくある質問にお答えします。脱法ドラッグ事件のことでお悩みなら、弊所の刑事弁護士にご相談ください。名古屋など全国の都市でお待ちしております。

危険ドラッグ・脱法ドラッグの弁護士コラム

危険ドラッグ・脱法ドラッグとは?

最近、危険ドラッグと呼ばれる、危険ドラッグ・脱法ドラッグや脱法ハーブが社会問題となっています。危険ドラッグ・脱法ドラッグとは、どういうものなのでしょうか(ここでは、脱法ハーブも含めて説明します)。

危険ドラッグ・脱法ドラッグとは

危険ドラッグ・脱法ドラッグの意味について、法律で定義されているわけではありません。一般に危険ドラッグ・脱法ドラッグとは、体内に摂取することで向精神作用をもたらす薬物であって、薬事法等の法令で所持・使用や売買等が禁止されていないものをいいます。言い換えると、危険ドラッグ・脱法ドラッグとは、規制薬物(覚せい剤・大麻・麻薬・向精神薬・あへん・けしがら)や指定薬物(薬事法規定のもの)の成分を含まない製品であることを謳いながら、これらと同様の作用をもつものといえます。

危険ドラッグ・脱法ドラッグ規制の流れ

以前は、違法な薬物は法令で個別に逐一定義していました。その頃は、危険ドラッグ・脱法ドラッグは違法な薬物の定義に当てはまらないため、捕まらないという状況にありました。しかし、危険ドラッグ・脱法ドラッグは覚醒剤や麻薬と同様の効果をもっているため、身体に対して有害性があり、副作用もあり得ます。そこで、2006年の薬事法改正により、取り締まり対象となる薬物を厚生労働大臣が指定できるようになり、新型の危険ドラッグ・脱法ドラッグに迅速に対応できる仕組みができました。また、2013年からは、興奮や幻覚などの作用を起こす特定の薬物について、これを含むものを取り締まり対象として一括して指定されるようになりました。

危険ドラッグ・脱法ドラッグの違法性は?

「合法ハーブって、合法っていうくらいだから、違法じゃないんですよね?」という質問を受けることがあります。

危険ドラッグ・脱法ドラッグも処罰対象になる

罪刑法定主義(犯罪と刑罰はあらかじめ法令で定められていないと処罰されない)の要請から、違法性のある行為として法令に定められ、かつ罰則も定められている行為でないと、処罰されることはありません。以前は合法であったハーブや薬物であっても、その後に法令で違法性のあるものと定められ、かつ罰則も設けられた場合には、それ以降は違法となるということでもあります。

危険ドラッグ・脱法ドラッグを所持するだけでも処罰される

厚生労働大臣が指定した薬物(指定薬物といいます)について、以前は所持するだけの行為は合法でした。しかし、平成26年4月以降は、法令の改正により、指定薬物の単純な所持も罰則へと移行しました。こうして、以前では合法だった種類のハーブについても、現在では指定薬物に当たる限り、使用・製造だけでなく所持するだけであっても、処罰の対象とされているのです。

危険ドラッグ・脱法ドラッグの規制は強化されている?

危険ドラッグ・脱法ドラッグの規制は、「いたちごっこ」といわれるものの、日進月歩で強化されています。

どういうことか、詳しく見てみましょう。

危険ドラッグ・脱法ドラッグの規制が難しい理由とは?

当初は、麻薬及び向精神薬取締法に定める麻薬に該当しない薬物は、処罰の対象となりませんでした。その後、薬事法が改正され、厚生労働省が指定する薬物(指定薬物)に該当するときは、麻薬に該当しないものであっても規制の対象とされるようになりました。しかし、危険ドラッグ・脱法ドラッグは人工的に作り出されるため、その成分は、化学構造を僅かに変化させるだけで、多様な薬物に変化します。また、新たな危険ドラッグ・脱法ドラッグを指定薬物に指定するまでの間に、通常なら、流通から数か月〜1年ほどもかかってしまいます。

指定薬物の包括指定で取り締まり強化がされている

指定薬物への指定による規制と、新たな危険ドラッグ・脱法ドラッグの開発とは、いたちごっこの状態にあるといわれてきました。平成25年に「合成カンナビノイド類」が厚生労働省によって包括的に指定薬物に指定されたり、平成26年には指定薬物の所持・使用・製造も処罰の対象に加えられたりと、規制強化は続いています。現在では、指定薬物を所持しているだけでも、薬事法違反として捕まる状況になっています。これもまた、いたちごっこながらの規制強化の一環なのです。

危険ドラッグ・脱法ドラッグの件で家宅捜索がくることはある?

危険ドラッグ・脱法ドラッグの製造者が摘発され、家宅捜索を受けることはあるでしょうか。

家宅捜索を受ける場合

捜索は、特定の犯罪について証拠を集めるために行なわれます。そのため、危険ドラッグ・脱法ドラッグの製造についても、その薬物の製造が薬事法等の刑罰法規に違反するものである場合には、その証拠を集めるために捜索を行なうことができます。

危険ドラッグ・脱法ドラッグで捜索を受けたケース

平成26年6月に沖縄県那覇市で、脱法ハーブを製造し、「合法ハーブ」と称して販売していた事件が摘発され、製造者の利用していたマンションが家宅捜索を受けています。この事件では、捜索の根拠となった犯罪は、脱法ハーブの製造それ自体ではなく、その前代会の、規制の対象とされている指定薬物を国際郵便で密輸したことによる薬事法違反(指定薬物輸入罪)とされています。そして、家宅捜索の際に押収された危険ドラッグ・脱法ドラッグについて、今後鑑定が行なわれ、指定薬物であることが判明したときは、指定薬物製造罪などにも問われることになるでしょう。

危険ドラッグ・脱法ドラッグ・脱法ハーブ使用後の自動車運転で人身事故を起こした。刑罰は重くなる?

あなたが脱法ハーブなど危険ドラッグ・脱法ドラッグを使用して運転をし、その影響で人身事故を起こしてしまったとします。この場合、刑罰は通常の自動車事故よりも重くなるでしょうか。

危険ドラッグによる自動車事故の処罰は年々厳しくなっている

危険ドラッグ・脱法ドラッグを使用して自動車を運転し、その影響で人身事故を起こしたようなケースは、平成19年以前は業務上過失致死傷罪により、平成19年の刑法改正以降は危険運転致死傷罪または自動車運転過失致死傷罪によって処罰されてきました。現在では、さらに法規制があり、自動車運転死傷行為処罰法(俗に自動車運転処罰法と呼ばれることもあります)にこのケースの刑事罰が定められています。

危険ドラッグ・脱法ドラッグの影響で人身事故を起こした場合

危険ドラッグ・脱法ドラッグの影響で交通事故を起こし、人を死傷させた場合には、以下のような刑罰が定められています。

○正常な運転がすでに困難な状態で自動車を走行させたとき

危険運転致死傷罪として、1年以上20年以下の懲役

○走行中に正常な運転に支障の生じるおそれがある状態で自動車を運転し、よって、(運転開始後に)そのドラッグの影響で正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させたとき

危険運転致死傷罪として、ケガを負わせたときは12年以下の懲役、死亡させたときは15年以下の懲懲役

○危険ドラッグ・脱法ドラッグの影響で必要な注意を怠って人身事故を起こした場合

危険ドラッグ・脱法ドラッグの影響で交通事故を起こし、人を死傷させた場合において、ドラッグの影響で走行中に正常な運転に支障の生じるおそれがある状態で自動車を運転中、必要な注意を怠り、よって人をさせた場合には、過失運転致死傷罪として、7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金に処せられます。ドラッグの影響で正常な運転が困難な状態に陥ったとまではいえない場合がこれにあたります。

○危険ドラッグ・脱法ドラッグの影響で必要な注意を怠って人身事故を起こし、証拠隠滅を図った場合

運転時のドラッグの影響の有無や程度が発覚するのを免れる目的で、さらにドラッグを摂取したり、その場を離れて身体に保有するドラッグの濃度を減少させたり、その他その影響の有無や程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、過失運転致死傷薬物影響発覚免脱罪として、別途、12年以下の懲役に処せられます。

以上の4点が、平成26年5月20日の自動車運転死傷行為処罰法施行以後において、危険ドラッグ・脱法ドラッグ使用後の自動車運転によって人身事故を起こした場合の罰則です。

よくある危険ドラッグ・脱法ドラッグの弁護士相談

知人に貰ったハーブを炙って吸ったところ、気分がハイになり、その後猛烈な悪寒に襲われました。何らかの麻薬成分が含まれていて、有毒性や副作用がないか心配です。ニュースで、脱法ハーブの使用も逮捕されると聞きましたが、私は捕まらないでしょうか?規制の対象になる危険ドラッグ・脱法ドラッグとは何か、定義や意味を教えてください。

危険ドラッグ・脱法ドラッグは非常に種類があるので、どれを使ったら捕まり、どれを使ったら捕まらないのか区別ができません。しかも今回知人から貰ったものなので、ハーブというのは分かっていましたが、麻薬成分の入った脱法ハーブということすら知らず、もちろんその副作用・有害性も認識していませんでした。

運転中に検問にあい、国内製造の合法ハーブを持っていたので逮捕されました。ニュースで所持も罰則へと聞きましたが、合法なのに違法性があるとして逮捕するのは、罪刑法定主義に反しないのでしょうか?それに、使用していないのに罰則を受けるのは納得いきません。覚醒剤については使用だけでなく所持していた場合・製造した場合にも罰則がありましたが、それと同じように合法ハーブでも危険なドラッグの一種として所持にも適用を広げたということで改正になったという考えであっていますでしょうか?私としては合法ハーブは違法ではないという認識だったのですが違法性の意識がなくても処罰されてしまうのでしょうか?

雑貨店を営む傍ら、脱法ハーブも扱っています。厚生労働省の薬事法改正で、麻薬でなくても、包括指定されて指定薬物になるなど、規制強化とのいたちごっこで商売が厳しい状態です。規制が急に厳しくなって、突然捕まることはありますか?薬事法改正における指定薬物包括指定と麻薬との関係についてもう少し教えていただけますか?

友人の情報によると今後厚生労働省の立入り検査が入り、お店にある薬をすべて検査されて許可されないと販売できなくなるらしく、かなり規制が強化されると聞きました。この場合も仮に許可を得ないで販売してしまった場合は、捕まってしまうのでしょうか?

会社員の息子が、合法ハーブの原料になる違法な薬物を輸入していたとして薬事法違反(指定薬物輸入罪)で摘発されました。雑居ビルの一室で合法ハーブを作っていた、製造者グループの一員だったそうなのです。嫁と暮らすマンションにも家宅捜索が入ったと聞いています。息子はこれからどうなりますか?家宅捜索が入って合法ハーブなどが見つかった場合、息子だけでなく嫁も指定薬物輸入をしたとして薬事法違反で逮捕されるのでしょうか?

仮に裁判になった場合、息子は他の製造者グループの人と共同で裁判が行なわれることになるのでしょうか?

第3世代以降から脱法ハーブにはまり、やめられません。何年も前ですが、キマった状態で運転して事故を起こして人にケガをさせ、過失運転致死傷罪で罰金刑になりました。今は法改正で自動車運転処罰法ができたり、危険運転致死傷罪で重い刑罰になると聞きます。もし、同じことをやってしまった場合、私は何罪で処罰されるのでしょうか?

最近になり自動車運転処罰法や危険運転致死傷罪の法改正がありましたが、この改正の背景には脱法ハーブ使用者による事故が相次いでいることが原因だと思いますが、私の前科である過失運転致死傷罪の刑罰と比べてどのくらい重くなっているのでしょうか?

より詳しい解決方法は罪名別よくある質問に続く
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