盗撮の示談(弁護士コラム)
盗撮に強い刑事事件の弁護士が、盗撮の示談のよくある質問にお答えします。盗撮の示談のことでお悩みなら、弊所の刑事弁護士にご相談ください。名古屋など全国の都市でお待ちしております。
盗撮の示談の弁護士コラム
盗撮が見つかった。被害者と示談すれば不起訴になる?
盗撮が見つかったものの、被害者と示談をして許してもらえた場合に、不起訴になって前科を避けることができるでしょうか。
初犯か前科1犯程度の場合
初犯か同種前科1犯程度なら、不起訴になるのが通例です。この場合、不起訴の種類は、起訴猶予といって、犯罪の嫌疑はあるものの起訴をしないというパターンです。
同種前科が複数ある場合
同種前科が2つ以上ある場合には、被害者と示談をして許してもらったときでも、不起訴では済まず、罰金や公判請求(裁判)になる可能性が出てきます。たとえば同種前科が2つある場合に、示談を交わした上で不起訴になるためには、さらに有利な情状を積み重ねる必要があります。具体的な方法については、刑事事件に詳しい弁護士にご相談ください。
盗撮で示談をするときの示談金・慰謝料の相場は?
盗撮事件で示談をするとき、示談金(慰謝料も含めて説明します)の相場はあるのでしょうか。
盗撮事件の示談金の相場とは
示談の内容は、当事者の合意で決められます。そのため、示談金の金額も、それぞれの示談によって違います。したがって、盗撮事件の示談金は、高い事案もあれば低めに収まる事案もあり、事案ごとに千差万別です。その意味で、盗撮事件の示談金の相場といったものはありません。
盗撮事件の示談金の上限とは
示談金の上限については、目安はあります。多くの迷惑防止条例では、盗撮の罰金額は50万円が上限です(例外的に、東京都や神奈川県では100万円です)。しかも、罰金となった場合、必ずしも上限額いっぱいの罰金刑が科されるわけではありません。そのため、「示談ができなければ罰金」という見込みの事案では、示談金の額が50万円を超えそうな場合には、加害者側が「それだったら罰金を受け容れます」ということになりがちなのです。このようにして、盗撮事件の示談金は、50万円を超えることが少ない傾向にあります。その意味で、盗撮事件の示談金の上限は、50万円が目安になっているのです。
盗撮で示談をする方法は?
盗撮で検挙されたものの、処罰されたくないという場合、示談の方法はどのようにすればいいでしょうか。場面としては、あなたの盗撮行為が発覚して警察へ連れていかれ、取り調べや実況見分などを経て、身元引受人を立てて釈放された場面を想定します。
弁護士がついていない場合
あなたは、処罰されて前科がつくという事態は避けたいと思っています。そのためには、被害者と示談を交わして許してもらう必要があります。しかし、捜査機関は、あなた本人や家族に対しては、被害者の住所や連絡先などの情報を教えてくれません。あなたに弁護士がついて初めて、弁護士限りで、被害者の情報を教えてもらえるようになるのが通例です。
弁護士がついた場合
あなたについた弁護士は、検察官に対して、被害者にお詫び者被害弁償をしたいので連絡先を教えてほしいと申し出ます。それを受けて、検察官は被害者に対して、「連絡先を弁護士に教えてもいいか」と打診します。それに対して、被害者が連絡先を弁護士に教えていいと承諾した場合に初めて、検察官は被害者の連絡先を弁護士に教えてくれます。
弁護士による示談交渉の流れ
弁護士は被害者と連絡を取ります。まず弁護士から手紙を出す場合もありますが、多くの場合は電話をかけます。被害者は検察官から事前に事情を聞かされているので、弁護士から電話が来たら、「お詫びや被害弁償の話だな」と推測がつきます。電話がつながったら、示談交渉の日程調整を行ないます。その際に、示談金についても詰めてしまうこともありますが、示談交渉の席で初めて示談金の交渉が始まることも多いです。
弁護士による示談の効果とは?
こうして、いよいよ示談交渉です。交渉がまとまり、示談を交わすことになった場合には、示談書を交わすのが通例です。そうして示談書を交わしたら、弁護士は速やかに検察官に対して、示談が成立したことを伝えます。示談書も提出します。すると、検察官は被害者に確認の電話を入れます。被害者に確認が取れたら、検察官は処分に向けて動きます。初犯や前科1犯の場合は、不起訴となるのが通例です。
盗撮の示談書や謝罪文の書き方は?
では、盗撮事件で示談を交わすことになった場合、示談書はどのように書くのでしょうか。また、謝罪文はどのように書くのでしょうか。
示談書に書くべき項目とは?
○示談書の相手方の書き方に気を付ける
まず、当事者を表示します。被害者が未成年者であるときは、被害者の法定代理人を相手方とすべきことに注意が必要です。次に、事件を表示します。時間・場所・行為者・方法・結果などを具体的に特定して書かないと、示談の及ぶ範囲が不十分なものにとどまってしまうので、特定の仕方・程度には注意しましょう。
○示談金は支払方法もきちんと書く
加害者が被害者に謝罪をすること、その賠償金として※※円支払うことを書きます。併せて、支払方法についても記載します。現金で交付した場合には、「※※(被害者)は本日上記金額を※※(加害者の弁護人)から受領した」と記載します。他方、銀行振り込みの場合には、「※月※日までに、※※(被害者の指定する口座番号)に振り込まなければならない」と記載します。
○宥恕条項を忘れずに
その後、宥恕(ゆうじょ)文言を盛り込むことが重要です。宥恕文言とは、「被害者は加害者の刑事責任を許し、本件について加害者に対する刑事処罰を望まない」などのように、被害者からあなたの刑事責任を許してもらう文言のことです。
○民事上の問題も解決するには
さらに、その事件に関して民事上の関係を清算する条項を盛り込むことも忘れてはいけません。具体的には、加害者と被害者との間には、「本件に関して、上記に支払った金銭のほかに、何らの債権債務が存在しないことを確認する」というように、本件以外には今後請求できる権利が存在しないことを確認する(存在しないことにする)条項のことです。
謝罪文の書き方とは?
謝罪文は、加害者が被害者に対して、今回の事件を起こしたことをお詫びする文章です。したがって、謝罪文に書くべき内容は、自分が今回被害者に対してどのような行為を行ない、どのような結果を生じさせ、どのような苦痛を味わわせたかを記載します。そして、そのような苦痛を味わわせてしまったことについてどう思っているかを述べ、謝罪の言葉を記載します。その上で、被害者の苦痛を慰謝するために自分が何をすべきか、何をできるかを書きます。その後、「厚かましいお願いでることは承知しておりますが」と前置きをしたうえで、示談をしてほしい旨を書き添えることがあります。その上で、改めて被害者に対するお詫びの言葉を繰り返して、謝罪文の締めくくりとすることがあります。
未成年を盗撮して見つかった。示談は誰とする?
未成年を盗撮して見つかった場合、示談に際して注意すべき点があります。
未成年者と単独で示談した場合は取り消される可能性もある
法律上、未成年者は基本的に法律行為を単独で行うことができず、法定代理人が未成年者に代わって法律行為を行なう必要があります。そして、未成年者が法定代理人に無断で行なった法律行為は、法定代理人が取り消すことができるのです(他方で、法定代理人が追認をすることもできます)。
未成年者に対する事件で示談したい場合には
未成年者は単独では法律行為を行うことができず、法定代理人が未成年者を代理して行なう必要があります。もし未成年者が法定代理人に無断で示談をした場合、法定代理人はその示談を取り消すことができるのです(追認をすることもできます)。したがって、盗撮の被害者が未成年である場合、示談を急ぐあまり、未成年者のみと示談をするだけでは、必ずしも十分ではありません。この場合に有効な示談をするには、未成年者の法定代理人を相手方として、示談をする必要があるのです。
そこで、弁護人としては、盗撮事件の被害者と示談をする際には、被害者が何歳であるかを事前に検察官に問い合わせておくといった注意をする必要があります。
盗撮した後、被害者以外の人に示談金を求められた。恐喝や詐欺には当たらない?
被害者以外の人が示談金を要求する行為は、被害者から代理権を与えられていない限り、根拠がありません。したがって、そのような人(以下「要求者」といいます)に対しては、示談金を支払う必要がありません。
詐欺罪や恐喝罪に当たる場合
もし、要求者が被害者から代理権を与えられていないにもかかわらず、代理権があると称して示談金を要求した場合には、詐欺罪ないし恐喝罪となります。この場合には、要求者に本当に代理権があるかどうか、代理権があるとして被害者とはどのような関係なのかを確認した方がいいでしょう。
恐喝罪に当たる場合
要求者が代理人と自称することなく、「口止め料」の名目で金銭を求めてきた場合には、恐喝罪となります。したがって、要求者が代理人と称することすらなく、口止め料名目で金銭を要求された場合には、金銭を払う義務はなく、むしろ要求者自身にも犯罪が成立するのです。
よくある盗撮の示談の弁護士相談
駅構内で盗撮をしていたら、ばれて検挙されました。これまで捕まったことはありません。「被害者と示談をすれば起訴猶予になる」と聞いたことがあります。私に前科はなく、今回が初犯です。示談をしてもらえれば、本当に起訴猶予や不起訴になるでしょうか?
被害者と連絡を取りたいのですが、警察に聞いても教えてくれません。弁護士さんならコンタクトとれるのでしょうか?早めに示談をしたいのでお願いしたいです。初犯なので、起訴猶予でなく不起訴になる可能性が高いと思っているのですが、どうでしょうか?弁護士さんのご意見をお聞きしたいです。
盗撮をしたことで捕まり、弁護士をつけて被害者の方に示談を申し込みました。すると相手からは、30万円では安い、50万円はないと誠意が感じられないと要求されました。迷惑防止条例違反のケースで、示談金や慰謝料の金額として50万円というのは、適正な額なのでしょうか?
迷惑防止条例の場合の示談金や慰謝料の金額の相場はいくらになるでしょうか?
駅構内で盗撮をしていたら、ばれて検挙されました。いま警察で取り調べを受けています。相手の女性は「気持ち悪い思いをさせられた。厳しく処罰してほしい」と言っているようです。示談をしたいのですが、警察は女性の連絡先を教えてくれません。示談をするにはどうすればいいでしょうか?
示談の方法としては自分で交渉する場合、弁護士さんにお頼みする場合、ほかにどんな方法があるでしょうか?
ショッピングモールのエスカレーターで盗撮をしたところ、ばれて検挙されました。相手の女性と示談をしたいと思い、謝罪文や示談書の書き方をインターネットで調べています。
ですが、「宥恕文言」や「清算条項」など、難しい言葉が多くてよくわかりません。謝罪文や示談書の書き方についてアドバイスをしていただくことはできますか?
宥恕文言や清算条項が入った謝罪文や示談書を弁護士先生に書いてもらう場合、弁護費用はどのくらいかかるでしょうか?
おおよそでいいので教えてください。
電車内で女子高生のスカートの中を盗撮していたところ、ばれて捕まりました。弁護士を立てて示談を申し込みました。ところが、相手の女の子の親が怒っており、示談交渉は難航しているようです。被害者は女の子なのに、なぜ親が出てくるのでしょうか?親を抜きにして示談をすることはできないのでしょうか。
それとも、被害者が未成年者の場合は、示談交渉するにも親の同意が必要なのでしょうか?全く初めてなので、分からないので詳しくかつ丁寧に教えてください。
電車内で盗撮をしていました。ばれることなく電車を降りたところ、後ろから見知らぬ人に声をかけられました。「いま盗撮してたでしょ。全部見てたよ。警察に突き出されたくなければ、有り金出しな」と脅されました。怖かったので、お金を渡して逃げました。私は被害者でもない人にお金を渡す必要があったのでしょうか?
恐喝・詐欺の成立する要件などを具体的に教えてください。私の場合はどちらの被害者にあたりますか?
その後、被害者から盗撮の件で被害届を出されたりしたら、警察対応などどうすればよいか教えてください。