窃盗・万引き(弁護士コラム)
窃盗・万引きに強い刑事事件の弁護士が、窃盗・万引きのよくある質問にお答えします。窃盗・万引き事件のことでお悩みなら、弊所の刑事弁護士にご相談ください。名古屋など全国の都市でお待ちしております。
窃盗・万引きの弁護士コラム
窃盗とは?万引きとは?
他人から物を盗難することに関しては、窃盗や万引きなど、何種類かの言葉があります。
これらの言葉の意味に、違いはあるのでしょうか。
窃盗とは?
窃盗とは、他人の財物を窃取することをいいます。これをより厳密に定義すると、他人の占有する財物を、その意思に反して、自己または第三者の占有下に移すことをいいます。
万引きとは?
万引きとは、厳密な定義はありませんが、一般的には、店から商品を盗むことと理解されています。
このように、窃盗は行為の相手を店(店舗)に限定していないのに対して、万引きは相手を店に限定して使われる傾向があるという違いがあります。
窃盗の時効は?
民事事件には消滅時効がありますが、刑事事件にも、時効があります。
刑事事件の時効は、時効後は事件について起訴することができなくなるという意味での時効です(公訴時効といいます)。
窃盗は7年で時効にかかる
公訴時効の時効期間は、犯罪ごとに法定刑の重さによって異なります。窃盗罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から7年です。つまり、他人の物を盗んでから7年間、時効が停止することなく経過すると、時効が成立し、それ以後は事件について起訴することができなくなるのです。この7年間という期間は、被害額に左右されません。そのため、何億円という巨額を盗んだ場合でも、また使い古された自転車を盗んだ場合でも、時効期間は同じく7年です。
刑法の時効は中断しない
刑事の公訴時効は、中断することはありませんが、停止することはあります。つまり、時効期間がゼロに戻るということはありません。一定の事由があった場合に時効期間のカウントがストップするだけで、その事由が止んだときは、停止前の時点からまた進行が再開するのです。
時効が停止するケース
時効の停止事由としては、起訴されたことや、犯人が国外にいることや、犯人が逃げ隠れていることが挙げられます。ここで重要なのは、逮捕自体は時効の停止事由とされていないことです。そのため、時効直前に犯人を逮捕しても、それだけでは時効は停止しません。起訴までして初めて、時効が停止するのです。
窃盗で罰金・懲役になるか?量刑相場はあるか?
あなたが窃盗事件を起こした場合、示談や被害弁償が済んでいないときは、罰金や懲役といった刑罰が科されます。
では、その場合、罰金なら金額はいくらくらいになるでしょうか。また懲役なら、懲役何年くらいになるでしょうか。
初犯で被害金額が少ない場合
今回の窃盗が初犯で、かつ被害金額も多額でないときの量刑の相場としては、略式手続により罰金となります。これに対して、余罪を何件も犯しているとか、被害金額が大きいという場合には、初犯であっても罰金では済まず、公判請求されて正式な裁判となることがあります。
前科があるが被害金額が少ない場合
前科があり、今回が再犯である場合でも、被害金額が少ないときは、被害弁償ができていれば、略式手続により罰金で済む可能性があります。
前科があり被害金額が大きい場合
今回の窃盗が再犯の場合で、被害金額が大きいとき、または示談ができていないときは、公判請求となることが多いです。公判請求される場合は、前科が多数あるときは実刑となるでしょうが、前科が多数に上らないときは、執行猶予つきの懲役刑が科されるのが通常です。その場合の刑期としては、懲役1年6か月や2年、執行猶予は3年か4年となることが多いでしょう。
窃盗事件での示談の効果は?示談金の相場は?
窃盗事件で示談をしたり慰謝料を支払ったりすると、どのような効果があるでしょうか。また、窃盗事件の示談金に相場のようなものはあるでしょうか。
示談できれば、不起訴になる可能性が高まる
示談が成立して慰謝料や示談金が支払われた場合の効果として、被害が回復したということで、あなたに対する処分が軽くなる可能性が高まります。特に、初犯でかつ被害額が多くないときは、不起訴となることが多いでしょう。
示談したことを捜査機関に伝えるためには
示談が成立したことを処分に反映させる方法としては、示談書に被害者があなたを許しており刑事処分を望まないという条項を盛り込むこと、被害者から検察官宛てに寛大な処分を希望する旨の嘆願書を作ってもらうこと、告訴取り消し書や被害届取り下げ書を作成してもらうこと、などの方法があります。
示談金の相場とは?
示談金の相場については、窃盗事件の場合は被害額という単純明確な目安があるので、被害額に慰謝料や迷惑料を加えた額が相場となります。つまり、窃盗事件の示談金については、通常は、「窃盗事件だからいくら」ではなく、「被害額が※※だからいくら」という考え方をするのです。
窃盗・万引きの前科・前歴は人に知られることがあるか?知られるとどうなる?
あなたが窃盗・万引きを行ない、罰金刑や懲役刑などの前科・前歴を持っているとします。この前科・前歴は、人に知られることがあるでしょうか。また、知られるとどうなるでしょうか。
基本的には、会社や大学に連絡が行くことはない
社会の中で普通の生活を送っている限り、前科・前歴が人に知られることは通常ありません。会社や大学から問い合わせがあっても、捜査機関が教えることはありません。したがって、履歴書の賞罰欄に前科を書かなかった場合でも、会社があなたに前科があることを探り当てることは、基本的に難しいでしょう。また、犯行が職務時間中や職務に関連して行なわれたのでない限り、捜査機関が会社に連絡をしたり聞き込みに行ったりすることも、滅多にありません(ただし、あなたが公務員である場合には、警察は取り決めにより、職場に連絡をします)。
もし会社や大学に前科が知られたら
何らかのルートで会社の試用期間中に前科が発覚した場合、前科を隠していたことは内定取り消し事由に該当することがあります。他方、試用期間経過後に前科が判明しても、直ちには懲戒や解雇といった処分の事由にはならないことが多いでしょう。大学であれば、前科を隠していたことは、退学の事由とはならないのが通例でしょう(ただし、最終的には退学事由としてどのように定められているかによります)。
なお、前科は検察庁で、前歴は警察庁で、それぞれ情報が管理されてデータベースが作成されています。このデータは、道路交通法違反ならば5年ないし10年が経過すれば削除される可能性がありますが、それ以外の犯罪の場合は、データベースから消えることは基本的にないでしょう。
よくある窃盗・万引きの弁護士相談
高齢の母が、スーパーで食料品を盗んだとして店から連絡がありました。店長さんは「万引きなんてもんじゃない、立派な窃盗だ。盗難の被害届を出す。」と怒っています。法律の定義では、窃盗とは何ですか?万引きとは意味に違いがあるのでしょうか?
素人の感覚では、万引きの定義は額が低めのものを取る、窃盗とは万引きに比べて金額が大きいものを取るというイメージで、他人のものを取るという点に意味の違いはないように思っていますが、あっていますか?盗難届けを出された場合、その後の刑事手続きの流れはどのようになるのでしょうか?
大学生で就職活動をしています。中学生の時に、駅前の放置自転車を持ち逃げしたことがあります。窃盗の時効期間は7年と聞いたことがありますが、今、時効が成立する前です。時効直前に逮捕される可能性はありますか?時効後はもう逮捕されませんか?民事上の損害賠償請求をされないかも心配です。
時効はいつの時点から起算されるのか明確には分かっていないので教えてほしいです。初日は参入されるのでしょうか、民事とその点は同じでしょうか?仮に時効期間中または7年の時効直前に自転車窃盗の容疑で逮捕された場合とで刑の重さなど変わってくるのでしょうか?
妻が、衣料品店で服を万引きした窃盗で逮捕されました。実は初犯ではなく、窃盗で罰金と懲役を受けた前科があり、執行猶予中の再犯です。今回は盗んだ商品の金額も大きく、余罪も疑われるので、懲役何年かにはなるだろうと警察で言われました。量刑の相場としては、妻の刑期はどのくらいになりそうでしょうか?前科があるといっても、初犯のときは罰金刑だったので、そんなに重いものではなかったのですが、それでも再犯となり重くなってしまうのでしょうか?
初犯の場合と前科ありの再犯の場合とでどのくらいの差があるのでしょうか?余罪があると刑期、つまり懲役の長さや執行猶予の長さなどの量刑に変化がでてくるのでしょうか?
本屋で万引きをしたのが見つかりました。店長に、窃盗で警察に訴えると言われています。慰謝料をお支払いして、被害届取り下げをしてもらい、できれば不起訴にしてほしいです。示談の方法はどうやったらいいですか?示談金の相場はいくらくらいですか?
示談は自分で行なうこともできますが、やはり弁護士さんに間に入ってもらったほうが被害届を取り下げしてくれる可能性が高まりますよね?被害届が取り下げられれば不起訴にもなりやすいと聞いたのですがあっていますでしょうか?
ちなみに後学のためですが、慰謝料としての示談金を払わなくても謝罪だけでも成立する示談というのはあるのでしょうか?仮に警察署に捜査された場合、身柄を拘束されることはあるのでしょうか?
私は大学3年ですが、バイト先のレジのお金を盗んで逮捕されました。店長さんが許してくれて、罰金刑や懲役で前科が付くことは避けられました。ただ、事件が知れたら、大学は退学処分になり、会社に就職できないと思います。逮捕されたら前歴がつくと聞きましたが、前歴が消える方法はありますか?
前科と前歴は同じ意味でしょうか?今回は罰金刑も懲役も付かないので、前科はそもそも付いていないと思うのですが私の考えであっていますでしょうか?
とすると前歴があった場合でも、会社への就職や大学からの退学処分の対象になる可能性があるのでしょうか?