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横領・背任(弁護士コラム)

横領・背任に強い刑事事件の弁護士が、横領・背任のよくある質問にお答えします。横領・背任事件のことでお悩みなら、弊所の刑事弁護士にご相談ください。名古屋など全国の都市でお待ちしております。

横領・背任の弁護士コラム

横領とは?背任とは?

横領とは何でしょうか。また、背任とはどのような行為を意味するのでしょうか。

横領に当たる場合

判例によると、横領とは、委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思を実現する行為をいいます。たとえば、預かっているお金を着服する行為は、これに当たります。そして、業務上横領とは、このような行為を、その物を業務上占有する者が行なうことをいいます。

背任に当たる場合

背任行為とは、他人のためにその事務を処理する者が、その任務に背く行為を行なうことをいいます。任務に背く行為とは、本人からの委託信任の趣旨に反する行為をいいます。

横領と背任の違いとは

横領と背任とは、どちらも、他人から委託信任を受けた者がその委託に反して犯行を行なうという点で共通しています。横領と背任の違いについて、判例は、横領罪が成立するかどうかをまず検討し、横領罪が成立するときは背任罪は成立しないとしています。そのため、横領罪と背任罪とのどちらが成立するのか問題となる場合には、横領罪が成立するか否かが先決問題となり、それによって背任罪の成否も左右されることになるのです。

横領と窃盗・詐欺との違いは財産の持ち主

横領・背任と、窃盗・詐欺などは、いずれも財産に関する犯罪です。横領や背任が問題となる事案では、あなたは被害者からすでに物の占有を委ねられています。この点で、窃盗や詐欺など、物を占有していない者が他人から物の占有を奪う罪とは区別されます。

横領や背任はなぜバレるか?

横領や背任犯、なぜバレるのでしょうか。

横領・背任は会社に損が発生してバレる

横領や背任が発覚する理由・原因としては、会社(委託者)に経済的損失が発生し、それが発覚することがきっかけとなることが多いです。会社の内部で、上司が部下に対して、帳簿等の計算書類を照らし合わせながら損失の原因を探らせて、報告させます。上司は、報告を受けて不信を抱いた場合、経営陣に報告します。その上で捜査機関に通報するかどうかが、経営陣によって判断されるという流れをたどることが多いです。

捜査機関に内部告発されることもある

会社内部の人や第三者から、上司や経営陣を一足飛びにして、捜査機関へと直接に内部告発がされることもあります。内部告発がされるときというのは、会社が横領事件を内々に処理するにとどめようとした場合であることが通例です。通報がされた場合、捜査機関も捜査を始めます。捜査機関の捜査方法は、やはり帳簿との照合作業が基本となるのが通例です。

横領がバレた。刑事告訴されたらどうなる?

あなたが他人や会社から預かっていたお金などの財産を着服したことがばれたとします。この場合、相手から警察に刑事告訴されたら、その後はどうなるのでしょうか。

刑事告訴されると証拠集めが行われる

横領の刑事告訴が受理されれば、捜査機関は捜査を進めます。具体的には、関係者への事情聴取や証拠物・証拠書類の任意提出を受けた上で、捜索できるだけの証拠が集まったら、捜索・差し押さえを行ないます。

証拠が集まれば逮捕される可能性もある

そうして集まった証拠を基に、あなたが横領を犯したことを疑うに足りる相当な理由が認められるようになったら、逮捕される可能性が出てきます。逮捕されないためには、逃亡や証拠隠滅をしないことを捜査機関に誓約して、逮捕しないでくれるよう申し出ることが有効です。その方法や申し出る内容については、刑事事件に詳しい弁護士に相談するのが一番です。

起訴され有罪になると解雇されることが多い

起訴され、有罪判決が確定した場合には、会社の就業規則でも懲戒解雇事由に該当することが多いでしょう。懲戒解雇になる前に、自主退職をするケースも多くあります。

横領事件では会社にどう対応すればいい?

あなたが会社のお金を横領し、それが会社に発覚したとします。まだ警察には発覚していません。この場合、会社への対応は、どうするのがいいでしょうか。

まずは示談して許してもらうことを目指す

重要なのは、謝罪と返済を進めて、示談をして許してもらうことです(会社でなく個人が相手の場合には、慰謝料の支払いも必要になるでしょう)。ただし、あなた本人が会社と返済計画等に関して示談交渉を行なおうとしても、揉めてしまうことが予想されます。さらに、あなたの経済状態からして全額は返済できない見込みである場合には、交渉は難航し、あなたの心理的負担は大きくなってしまいます。

弁護士が付けば、示談交渉がスムーズに。

刑事事件に詳しい弁護士に間に入ってもらうことにより、示談交渉はあなた本人が交渉の矢面に立つよりも、格段にスムーズに進むようになります。そうすることで、たとえ全額は返済不能という場合であっても、分割して弁済するという計画に同意してもらえるようになる可能性もあります。したがって、会社への対応は、ぜひ弁護士に依頼することをお勧めします。

横領・背任で有罪になった場合の刑罰は?量刑相場はあるか?

横領または背任の罪で有罪となった場合、刑罰はどのようになるでしょうか。

横領の場合

横領の場合は、法定刑は5年以下の懲役のみで、罰金がありません。そのため、必ず正式な裁判(公判請求)となり、懲役が言い渡されます。横領の量刑相場は、初犯である場合には、単純横領なら8〜10か月前後の懲役に執行猶予、業務上横領の場合には1年6か月前後の懲役に執行猶予がつくことが多いでしょう。ただし、横領額が巨額に上る場合には、前科がなくても実刑になる可能性が出てきます。

背任の場合

背任の場合は、法定刑は5年以下の懲役または50万円以下の罰金です。法定刑に罰金刑があるので、起訴される場合でも、初犯であるとか被害額が大きくないといった情状があれば、略式手続きにより罰金で処理されることがあり得ます。これに対して、前科がある場合や被害額が大きい場合には、公判請求されて懲役を求刑される可能性が高くなります。その場合でも、前科が多いとか被害額が巨額であるなど悪い情状が積み重なっていない限り、執行猶予がありうるでしょう。

背任行為が問題になるのはどういう人か?

背任行為が問題となりうるのは、どのような立場の人でしょうか。

社員全員が背任行為を問題にされるわけではない

背任は、他人のためにその事務を処理する者が、任務違背行為によって本人に財産上の損害を与えた場合に成立します。このように、任務違背によって財産上の損害を与えることができる立場にいなければ、背任は問題となりません。

公務員でも背任行為が問題になる?

背任罪が成立するには、他人のためにその事務を処理する立場にあればいいので、民間会社でなくても背任罪は起こり得ます。たとえば、公務員や、大学などの独立行政法人に勤務する人であっても、雇用主である他人のために一定の事務を処理する立場にある限り、背任罪の主体となり得るのです。

特別背任罪に当たる場合

会社法上の特別背任罪の場合は、主体が発起人、取締役、会見参与、監査役、執行役などの役員に限定されています。

なお、背任行為を行なった場合、民事上の問題としては、損害賠償責任を負うことはもとより、懲戒事由にもなります。そのため、解雇や自主退職を余儀なくされることも多くあります。

よくある横領・背任の弁護士相談

会社で経理を担当している夫が、経費を着服して業務上横領で逮捕されました。

業務上横領とは、横領とは意味が違うのでしょうか?会社の社長に「背任行為だ。」となじられましたが、横領と背任の違いが分かりません。背任とは何か、詐欺や窃盗とどう区別したらいいのか教えてください。 横領と背任の違いについてですが、横領と背任両者とも自分のもとにある他人の所有する財産を着服するという点では同じだとおもいますが、背任行為のほうがより横領行為より侵害行為が大きいイメージがありますが、そのような認識でよいのでしょうか?業務上横領は横領するという意味は同じですが、横領する人が業務上の行為を要する人であるかないかで異なっているように思います。とすると夫は経理を担当するという業務上の地位をもっているので、業務上横領になっているというわけですね。詐欺と窃盗に関してとの区別になるともう頭が混乱して分からなくなってきます、この際ですから色々教えてください。

私は会社で経理をしていますが、横領が発覚しました。なぜバレるのか、その原因、理由として考えられるのは、部下が上司に通報したか、第三者が内部告発したのだと思います。今後の捜査方法としては、どのようなことを覚悟しておいたらいいでしょうか?

今回のように横領が発覚し会社の上司に部下が通報したり、第三者が内部告発して警察が動いた場合の捜査方法としてやはり家宅捜索とかおこなわれるのでしょうか?家族にもかなり迷惑をかけるので、理由や原因をあらかじめ知らせておきたいと思っています。

会社の経費を着服しました。会社にはまだ知られていません。着服した証拠が見つかって、ばれたら解雇されるのか、刑事告訴されたら逮捕されるのか悩んでいます。横領事件は、ばれた後の流れはどうなるのでしょうか?

なんとなく逮捕されて着服したという証拠を見せられて、取調べが始まるというのはわかるのですが、身柄拘束期間や裁判の流れなども気になります。私のような場合、刑事告訴が受理されたら、まずどうなるのでしょうか?会社にばれて解雇されたら、その後損害賠償請求訴訟など提起されそうで怖いですが、過去のケースはどういうふうになっていますか?

会社で長年お金を横領していました。相当な額になっており、返済不能な状況です。会社に慰謝料を払って、できるだけ返済したいのですが、全額は返済できない額です。どうすれば会社と示談できるか、会社対応をどうするべきか、弁護士さんに相談できますか? 

慰謝料の示談交渉は自分でもできると聞きましたが、やはり自分でやるよりも弁護士さんに間に入ってもらったほうがスムーズにことが運ぶのでしょうか?

弁護士さんに会社対応してもらい示談交渉して示談成立したとしても、どうしても横領額について返済不能な場合、どうすればよいでしょうか?ほかに方法があるでしょうか?

得意先から預かった売掛金をこっそり着服し、横領の罪に問われることになりました。前科はありませんが、それでも罰金で済ませてもらうのは難しいでしょうか?懲役になるとしても執行猶予を付けてもらえるのか、量刑相場として刑罰はどのくらいでしょうか?

そもそも懲役何年・執行猶予の有無など量刑相場はどのように決められるのでしょうか?基準などあるのでしょうか?執行猶予がついた場合罰金がついた場合でも前科ありになってしまうのでしょうか?今後再就職しなければならないので、私にとってそこは大きな問題ですのできになります。

大学を卒業して公務員になり、独立行政法人で働いてきましたが、背任行為をしたとして、懲戒処分を受けました。自主退職になっていますが、実質解雇です。背任や特別背任は、会社の社員や取締役等の役員以外でも罪になるのですか?損害賠償も請求されていますが、収入が途絶えたので払えません。どうしたらいいでしょうか?

損害賠償の請求は民事で特別背任は刑事ですが、両者同時に裁判できるのでしょうか?

そうなると裁判も長くなりそうで困ります。公務員として働いていた先の独立行政法人側の主張では私に背任行為があったといって懲戒解雇されていますが、まだ本当に社員の私が背任行為をしたか確定していないのにこの解雇はそもそも有効なのでしょうか?

より詳しい解決方法は罪名別よくある質問に続く
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